会員からの飛行談話を掲載しております。
■2016年11月 「ライセンシーになった自分」 A君
単独飛行に出てから約一年が経ちました。ソロに出た日、「
まず三月に学科試験を受け、
十一月になりいよいよ実地試験の日を迎えました。「
今回の試験を通して、私は「周りの人の力」
グライダーは、初めてのフライト→無線の免許の取得→単独飛行→
ライセンシーになった今、
■2016年10月 「ファーストソロの感想」 岩澤さん
人生で一生忘れられない日。それがパイロットにとってのファーストソロ。2016年10月10日、日本では記念すべき体育の日(※晴れの特異日として知
られる)、私のファーストソロは突然やってきました。「じゃあ、次行こうか」てっきり私は教官が同乗して離陸時の索切れ練習をするのかと思いきや、気が付いたらいつも後ろにいる教官の姿はなく、一人で機体に乗っていました。緊張の離陸と着陸。「あっ、少し浮いちゃった」ファーストソロの着陸は本来ならば決して合格点に達するものではなく、着陸した瞬間には喜びより「恥ずかしい、やってしまった」という感情の方が大きかったのが印象に残っています。教官の期待を見事に裏切り申し訳ない気持ちになりました。それでも滑空場のピストに帰ると恒例の水掛けと花束の代わりに滑空場に生い茂るススキで出迎えてお祝いしてくれた仲間。本当に嬉しかったです。
私にとってのファーストソロは本当に忘れられない日となりました。ファーストソロ後すぐに飛び込んできたのは、他の滑空場での死亡事故のニュース。飛ぶことの喜びと悲しみを知った一日となりました。謹んでご冥福お祈り致します。一瞬の判断ミスや気の緩みが事故に繋がる空の世界で、これからも多くの経験を積んで、学習を続け、安全飛行を追求していきたいと思いました。
私にとってグライダーの魅力は、(1)天候など自分の思い通りにはならない大自然と向き合うこと、(2)風切り音しか聞こえない静寂な世界が上空に広がっていること、(3)飛ぶことによって小さい問題にクヨクヨしなくなること、(4)信頼し合える仲間と交流できることです。経験が豊富な教官の方々からは操縦技術のみならず、人としてどのように振る舞えば良いか、人生の大先輩として日々教えていただいています。グライダーの曳航方法には飛行機曳航とウィンチ曳航の2種類があります。読売加須滑空場は、ナイロン索を1km以上敷き、ウィンチで索を高速に巻き上げ、凧のように機体を飛ばすウィンチ曳航を採用しています。私は離陸する度に「この先に宇宙がある」と想像力を膨らませてくれる、急角度で上昇していくウィンチ曳航が大好きです。
毎週日曜日に集まるかけがえのない仲間と、今の滑空場に導かれたご縁に心より感謝しています。この記事を読みながら「空を飛びたい」という願いを持っている方。絶対、あきらめなければ願いは叶うと確信しています。航空作家で有名なリチャード・バック氏も「どこに住んでいようと、何歳であろうと、心から願えば飛べるようになっている。不気味なほど、本当にそうなるんだ」と述べています。滑空場への交通手段、訓練時間の確保、経済的問題、人生のタイミングなど、飛行訓練を継続的に続けるためには意外に障害が多いものですが、強い想いは時に問題を一掃してくれることがあると感じています。私の場合、それは学生航空連盟との出会いでした。
ソロ飛行が最終目標と思っていましたが、いざファーストソロを終えると、まだまだ先にはワクワクする知らない世界が待っていました。滑空機・陸上単発機の自家用操縦士免許の取得、オーストラリアでのクロスカントリーなどを目標としてこれからも空と仲良くしていきたいと思います。長い間、なかなか成長しない訓練生を気長に温かく見守り、励ましてくださった多くの方々にこの場をお借りして感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。ファーストソロに出るまでの飛行回数更新!208回というクラブの新記録を樹立することができました!
■2015年10月 「ファーストソロの感想」 A君
今日は待ちに待ったソロフライトに出ることができました。教官に「よし、じゃあひとりで」と言われた時はこの上なく嬉しかったです。初めてのソロはすこし緊張しましたが、いざ飛んでみるとひとりで飛ぶことの楽しさが強く、緊張なんて吹っ飛んでしまいました。
空の上では本当に自由で、自分の好きなところへ飛んだり、好きなところで旋回したりすることがとても嬉しかったです。ここまで育ててくれた教官方、滑走路の芝を刈ってくれた方々、ウインチで機体を曳航してくれる方々がいたからここまで成長することができました。僕がソロに出れたのはいつも協力して頂いているみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。
■2014年1月 「単座機に乗って」 前濱さん
グライダーに出会って2年が経ちました。昨年6月にファーストソロに出て早や7か月、空を楽しみはじめています。毎週日曜はグライダーの日。勉強はナシ、バイトもナシ、遊びもナシ。丸一日費やし、学校も年代も経歴も違う人たちと一緒にグライダーを飛ばす。今ではすっかり滑空場に通うことが生活のサイクルの一部になっています。
空を飛ぶことは言うまでもなく、知識、経験、感覚を用いて挑戦するグライダーは、この上ないスポーツであり、趣味であり、楽しみです。活動の魅力や感動を書いてもいいのですが、私はソロ出たての頃痛い経験をし、空を飛ぶことの厳しさの一面も感じたので報告しようと思います。
ソロに出て数回目のフライトの事です。その日は風が変則的で、飛ぶ前から少々不安がありました。出発前の点検を終え「しゅっぱーつ」。離脱し、いつも通り5分程度滑空し、ダウンウィンドに入り、第3旋回を終えたところで、ふとまた不安がよぎりました。単座機に移って数回。まだ舵の効きや機体の姿勢に慣れず、上空でも速度維持が定まっていませんでした。風のこともあり、「あれ、大丈夫か?」と思ったとたん突然心拍数が高まり、体が緊張するのがわかりました。この時、強く意識したのが「自分で降りるしかない」と言う事です。今までソロで飛ぶために練習の回を重ね、その度に着陸はありましたが、やはり教官が見ている安心感と、修正されている着陸を自分のものだと勘違いし、出来ているという思い込みがありました。その勘違いによる心の余裕は、ファーストソロでも残っており、極端に言うとソロなのに一人で飛んでいることに気づいていない状態でした。誰にも頼れない、路肩に停めて落ち着くこともできない。そのうち地面は近づいてくる。そんな時、初めて感じた「一人」の不安はいつもの何倍にも感じて迫ってきました。
ファイナルターンを終え、滑走路に向かうも頭の中はギリギリで、とにかく「速度抜かない、速度抜かない」と意識していたので、アプローチの速度は早め。タッチダウンも乱暴。・・で機軸がズレたまま滑走し右翼端が地面をこすって停止しました。座席から出て、タイヤ、翼、胴体を見て回りました。教官の点検も受け、異常はありませんでした。
翌週、複座で教官に着陸を見てもらったところ、エーミングポイントが遅く、フレアが足りないために機速が早いまま接地し、エレベーターアップの操作もなく、機軸の修正もスムーズにできていなかったことがわかりました。どれも複座で散々やってきたことですが、まだ身についていませんでした。とっさの操作、いつもと違う着陸の時、それが表れてしまいました。
その後着陸も安定しつつあり、新たな次の目標もできました。決して完成形がなく、また楽しみ方に限りがないところもグライダーの魅力のひとつだと思います。同じ学校に通う後輩も入会し、彼らも空にハマりつつあります。会員も増え、いろんな方々と触れ合いながら、今週もグライダーに乗って飛んでいます。